小売業におけるシフト制度⑩(最終回)
専務からの
「残業代を減らせ」
という指示に対して
店舗とのやり取りをするうちに
少しずつ成果が出てきました。
残業代が減ってきたのはもとより
- 退職率が減ってきた
- 売上が増えてきた
という副次的な成果もありました。
もちろん、退職率や売上は、変形労働制のシフト制度を導入しただけが理由ではありませんが、会社自体が一時のどん底からそろそろ回復しようとしていた時期なので、ちょうどシフト制度導入が良い推進エンジンのひとつになったと思われます。
また嬉しいこともありました。
長期で入院している先輩のところにお見舞いに行った際に、どうやら他の社員からシフト制度を導入した話を聞いたらしく
「シフト制度導入したらしいな!」
「うちの会社でよくできたな!」
「喜んでいる社員も多いぞ!」
と激励のコメントをいただきました。
現在は直接従業員として携わっていない先輩社員から客観的にそんなことを言われるのは自信にもなるし、文句を言っているのは一部の社員だけであって、実は多くの社員に喜んでもらえている制度を導入できたことは本当に良かったです。
店長会議でボロカスに言われた時は、正当に反論はしていたものの、
(5年後ぐらいにみんなが喜んでもらえる制度になったらいいかな~)
と弱気な思いを馳せていましたが、1年後に早くもみんなに喜んでもらえる制度ができていました。
実現できた理由はいくつかありますが、思いついたポイントを挙げてみます。
- 特命を担っているという責任
- 理不尽な労務管理を強いられている社員を守るため
- 理不尽な労務管理を強いている会社を変えるため
- ゼロからの仕事が形になっていく面白さがあった
- 誰もやったことがない仕事を実現できる喜び
特に、4と5は自分の特性と合っていたようで、途中からどんどんと乗ってきている自分に気づくことができました。
いずれにしても、特命だけ渡して、あとは任せてくれた総務部長には感謝しないといけないですね。自分の特性を良く理解して自分勝手にやらせてもらいました!!
ありがとうございました。
こうして2005年秋ごろ始まった自分にとって初めての特命業務は、2007年の夏ごろに終了しました。
成長と充実を感じていたもののさすがに疲れたので、少しのんびりしたいなぁ~と思っていましたが、次なる特命業務が忍び寄ってきていることに、もちろん気づいてはいませんでした。
小売業におけるシフト制度:完