確定拠出年金を導入しました⑦(制度の設計)

管理本部長に提案するストーリーとして

 

  1. このまま会社が成長し、勤続年数が延びる
  2. 確定給付年金では会社が用意する退職金が膨大する
  3. 純利益に影響を及ぼす
  4. そのため財務に影響しない確定拠出年金を導入するべき

 

という内容で説明することで確定拠出年金を導入する見込みは少しずつ立ちましたので、確定拠出年金(DC)と確定給付年金(DB)の割合を含めた設計をすることにしました。

 

◆選択肢1

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◆選択肢2

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◆選択肢3

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◆選択肢4

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選択肢を簡単にまとめるとこんな感じになります。

 

これを管理本部長へ提案する訳ですが、ただ情報を整理して提示するだけでは提案者として不合格ですから、自分の意見を持って提案しなければなりません。その中で私が提案した選択肢は、

 

選択肢3 確定拠出年金25%と確定給付年金75%のハイブリッド

 

です。

 

理由としては・・・

  1. 会社の財務(退職給付債務)が軽減される
  2. 中途退職が多い弊社でも一時退職金と60歳以降の退職金の両方を設定できる
  3. 従業員に投資教育という視点を導入できる

となります。

特に、2.中途退職が多い弊社でも一時退職金と60歳以降の退職金の両方を設定できる。については、もう少し詳細をご紹介いたします。

 

当時の弊社の退職金制度は

 

 中途退職者の退職一時金は定年退職者の係数の50%を支払う

 

という規定がありました。

 

そのため確定拠出年金を50%分導入してしまうと中途退職者の退職一時金が全くなくなってしまいます。

そのため、50%分を

と分けて、設計いたしました。

イメージではこんな感じです。

 

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こうすれば、中途退職者にも25%分の確定給付年金が支払われ、60歳以降の年金も25%の確定拠出年金分が確保されるという算段になります。

 

非常に中途退職者に気をつかった設計になっていますが、ほとんどの社員が中途で退職するという弊社の状況を勘案すると、導入のためには必要な設計だったかと思います。

 

いずれにしても、確定拠出年金25%と確定給付年金75%の新企業年金導入を胸にしたため

 

 ◆選択肢1 確定給付年金100%

 ◆選択肢2 確定拠出年金100%

 ◆選択肢3 確定拠出年金25%、確定給付年金75%

 

のメリット・デメリットを一覧にした表を携えて、管理本部長に提案するために、管理本部長室へ向かいました。

 

つづく