確定拠出年金を導入しました⑤(確定拠出年金について)
前回のブログで確定拠出年金を新しい企業年金に取り入れようと考えたところまで記述しましたが、あらためて確定拠出年金をご紹介いたします。
1.企業型確定拠出年金(以下「企業型DC」)概要
最近はあまり耳にしなくなりましたが、企業型DCは
「日本版401K」
って呼ばれていました。
ちなみに401Kとはアメリカ合衆国で1978年に制定された米国内国歳入法の条項の1つであり、転職の多いアメリカの社会に沿って、退職金を持ち運ぶ(ポータビリティ)ことで従業員の退職金を確保しようという制度であります。
その401Kを日本は2001年10月より確定拠出年金として、2012年3月までに廃止が決まっていた適格退職年金の受け皿のひとつとして導入されました。
2.確定拠出年金と確定給付年金(以下「企業型DB」)の違い
確定給付年金も確定拠出年金と同様に廃止される適格退職年金の受け皿として2002年4月より導入されました。
では企業型DBと企業型DCは何が異なるのでしょうか?
下記の項目にて簡単にまとめてみました。
※1 2012年1月よりマッチング拠出として個人が企業型DCに拠出することができる
※2 専業主婦になる、一定金額以下などの条件により退職時の給付も可能
ですからキーワードとしては
企業型DB・・・会社が実施
企業型DC・・・個人が実施
と、雑ですが、そんな風にまとまります。
3.企業型DCのメリットとデメリット
企業年金に企業型DCを導入する際にはやはりメリットとデメリットを明確にしなければなりません。そこで超簡単ではありますが、下記の通りまとめました。
この中で、導入するにあたって一番のポイントは
企業のメリットにある
‟退職給付債務が発生しない”
になります。
これをいかに会社(役員)に訴えていくかが導入のカギになります。このあたりは今後のブログにて記述していきます。
4.2008年ごろの企業型DCの雰囲気
今でこそ、確定拠出年金は個人型の拡大も踏まえてメジャーになってきましたが、私が企業年金に導入を検討していた2008年頃の企業型DCに対する見方といえば・・・
- 加入者数は約300万人程度のマイナー制度
- アメリカかぶれのとんがった制度
- 企業型DCを導入するとニュースになる
という状況で、とても気楽に選択肢になるような状況ではありませんでしたので、導入まではまだまだ苦労が続きました。
以上の通り、今回のブログは企業型確定拠出年金の概要についてご紹介いたしました。
社内の導入に向けては次回以降に記述していきます。
5.ちなみに個人型確定拠出年金(個人型DC)とは?
企業型DCと同様に個人型DCも以前より制度としては導入されておりましたが、ここへきて俄然注目を浴びるようになりました。
それは、2017年1月より対象者の拡大が図られることとなったためです。
これまでは自営業者および一部の企業勤務者のみが加入可能でありましたが、これからはすべての企業勤務者、公務員そして第3号被保険者と呼ばれる専業主婦が加入することができるようになります。
ただ、このブログはあくまでも私が導入した企業型DCのお話になりますので、個人型DCを詳しくお知りになりたい方は下記の書籍をお勧めします。
実はこの著者である大江英樹さんとはこのあとの企業型DC導入において一緒にお仕事をするという縁もありましたし、これまでのご経験をふまえて非常にわかりやすく記載されていますので個人的にお勧めですが、本当に初心者の方であればもう少し絵や図があった方がわかりやすかったと思います。
ちなみに個人型DCは、iDeCoという愛称に決まったそうです。
NISAより難しそうですね・・・
それではまた次回お目にかかりましょう。