小売業におけるシフト制度④(変形労働時間制との出会い)

部長からシフト制度導入にむけて特命指示をもらった自分は

早速動きはじめました。

 

ただ、「動いた」とはいっても、

  • 社内で有志を集めて特命チームを作るわけでもなく
  • 社外のコンサルに指示をして提案をしてもらうわけでもなく

自分ひとりで顧問契約をしている担当の社会労務士にシフト制度についての

法律と運用について世間や他社の事例を聞いてくる。

といった地味なスタートでありました。

 

またせっかくなので会社から有料セミナーにも行きましたが、

そこでは労働系の弁護士先生から

 

「飲食、小売りの休憩は3時間ぐらいは認められており

 全体の拘束時間を延ばすこともできる」

 

なんていう非現実的な話もあったりして、

なかなか参考にはならなかったですね。

 

そこで結局は自分で労働基準法をひとつひとつ確認することが

手っ取り早いと思い、経済学部出身として慣れない法律を読み込んでいきました。

 

 

そしてやっと出会ったのが、

労働基準法32条に記載してあった変形労働時間制でした。

 

当時のうちの会社は、所定労働時間通りの

「10時~20時勤務の2時間休憩して1日8時間」

というパターンにて勤務していましたが、

前述通り、21時や22時営業の店舗が増加し8時間の労働時間では

まかないきれなかったため、シフト制度を導入する。ということが

背景にありました。

 

そこで、出会った変形労働時間制にはこう記してありました。

変形労働時間制は、労使協定または就業規則等において定めることにより、一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が法定の労働時間を超えない範囲内において、特定の日又は週に法定労働時間を超えて労働させることができます。「変形労働時間制」には、(1)1ヶ月単位、(2)1年単位、(3)1週間単位のものがあります。 

 

一定期間を平均し・・・?

ということは、1日8時間にこだわらなくても良い。ということになります。

その制度に苦しんで、10時間拘束で2時間の休憩し8時間労働

という苦し紛れの社内規定を作っていたうちの会社にとっては

非常にありがたい法律でした。

 

しかも

(1)1ヶ月単位

(2)1年単位

(3)1週間単位

と一定期間を選択できるというのは、

繁閑の波が激しいうちの会社にピッタリでした。

 

 その時の自分の気持ちとしては

「よし!これでうちの会社に合うシフト制度を導入できる!」

と珍しくワクワクした気持ちでいました。

 

ただし、そんな新しい制度を

単純に受け入れる会社ではないことをこのあと

改めて認識することにもなりました。

 

つづく