小売業におけるシフト制度①(当時の状況)

それでは、今回から特命業務の中身について少しずつ書いていきます。

 

最初の特命テーマは「小売業のシフト制度」です。

2005年から06年にかけて実施した内容を小分けにして思い出していきます。

 

そのなかで本日は、当時のうちの会社の状況をお伝えします。

 

当時のうちの会社は、関東から九州あたりに80店舗を展開する小売業であり、

一時の低迷を脱却し、少しずつ上昇気流に乗ろうかとしていた時でした。

 

◆店舗面積 400~700坪程度

◆従業員  社員5名~8名 アルバイト15名~30名

◆業種   比較的専門知識を必要とする小売り量販店

◆営業時間 10時~20時

 

そんな中で問題になっていたのは、従業員の労働時間でした。

アルバイトスタッフに対しては、時間給や8時間を超えた時間外、

22時を超えた際の深夜残業代を支払うことで、滞りなく?運営はされており、

今でいうブラックアルバイトといった話は特にはありませんでした。

 

問題になっていたのは、社員の労働時間でした。

ご存じの通り、従業員の労働時間は

 

労働基準法32条第2項

使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない                  

 

ですよね。

ただし当時の各店舗の社員は、出勤社員の全員が

朝9時ぐらいには出勤し、朝礼や準備をした後に10時に店舗を開店させ、

20時に閉店した後は、閉店業務をした後に夜21時ごろに退勤する。

 

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というかたちで、休憩を1時間挟んで、だいたい11時間ぐらいを

残業代無しで働いていたんですね。

しかも社員はその状態に対して、なんとなくの不満はありつつも

「文句を言っても変わらないしね」ぐらいの感覚で働いていました。

 

では会社の規程がどのようになっていたかと、

  1. 10時から20時を勤務時間とする
  2. 休憩は2時間とする

という2本柱でした。

簡単にいうと、営業時間10時間で休憩が2時間で残りの8時間で

ピッタリ残業代を支払わなくても大丈夫♪ という内容でした。

 

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つまり会社の規程は

営業前後の開店準備や閉店処理の時間が勘案されていなかったことと

現実的には無理な2時間の休憩を取得するということで、残業代を回避

していたことが問題ではありました。

ただ、現実として一部の社員を除いて

声高に「問題だ」ということが言われることはありませんでした。

 

ちなみに本社機能の労働時間は、

◆勤務時間 9:30~19:00

◆休憩時間 90分

という体系であり、世間からするとなかなかありえない労働時間ではありますが、

店舗の労働時間からすると恵まれていたので、それこそ文句を言う人は皆無でしたね。

 

ただし、そんな勤務体系も社会環境の変化に伴い、

徐々に変更をせまられる事態になってきました・・・

 

つづく